作品解説

 神戸で生まれ、20分もあれば海や山に行ける環境で育った私は、自然の中で遊んで過ごした。一方、幼い頃から絵を描いていた父親に連れられて美術展を巡る事が多かった。写実絵画から抽象・立体造形まで、よくわからないままに関心を持ったが、中学より油絵を始めた。

 高校生の時、万国博覧会で見たクレーやムンク・アメリカンアートに感銘を受けた。芸大では、しばらくステラや抽象表現主義・具体に関心を持ち、表現のきっかけや糸口を探していた。

 1995年の阪神淡路大震災では倒壊した建物に自然の脅威を感じ、後のオーストラリアの旅で生命溢れる木々の力強さに出会った。それが、現在の生命力あふれる木々の素材に繋がっている。木々の曲がりのおもしろさや美しさ、生命のエネルギーを表す土台となった。

 近年は、屋久島や沖縄、各地の山々の古木を素材としてコラージュし、半透明の絵具を指でタッチして絵の中に空間を作り、自然のエネルギーや神秘さ等を表そうと模索してきた。

 今では、古木のエネルギーや神秘さを、アクションペインティングで下地を作り、偶然の力を取り込むようにして、それを生かし古木を描き込んでいる。

 さらに、メジウムを加えた半透明の絵の具のタッチは、絵の上にレイヤーを重ねることにより、霧や光の反射、枝や葉のざわめきが前後して見え隠れする面白さが出ればよいと試行した。生っぽい物質感が漂い、煌めき、動き合って響き合えば、見るものが絵の空間に入っていける。メジウム素材と指のタッチで、それぞれの絵の特性との呼応を試みた。

 原始の森の中にいる見えない聞こえない大量の「何か」が、複雑に関連しあい、その場に佇む我々の身体感覚を活性化させ、「生」の力を増幅させてくれるかもしれない。

 

<プロフィール>

 雅 あかまろう    ミヤビ アカマロウ

1952年 兵庫県生まれ

1975年 大阪芸術大学 芸術学部美術学科卒業

<個展>

2019  雅あかまろう展 ギャラリー白(大阪)

2016  雅あかまろう展 ギャラリー白(大阪)

2015  雅あかまろう展 ギャラリー白(大阪)

<グループ展>

2019  真夏のアートフェスティバル ギャラリー菊(大阪)

2018  宝塚現代美術てん・てん・てん⑦ 宝塚友金アパート(兵庫)

2018  真夏のアートフェスティバル ギャラリー菊(大阪)

2017  宝塚現代美術てん・てん・てん⑥ 宝塚ギャラリー来迎(兵庫)

2017  真夏のアートフェスティバル ギャラリー菊(大阪)

2016  宝塚現代美術てん・てん・てん⑤ 宝塚ギャラリー来迎(兵庫)

2016  真夏のアートフェスティバル ギャラリー菊(大阪)

2016  Leaf展-again サンパルギャラリー(兵庫)

2015  宝塚現代美術てん・てん・てん④ 宝塚文化創造館(兵庫)

2015  真夏のアートデスティバル ギャラリー菊(大阪)

2014  宝塚現代美術てん・てん・てん③ 宝塚文化創造館(兵庫)

2014  I Love Kobe展・リーフ展 ギャラリー葉(兵庫)

2012  宝塚現代美術てん・てん・てん① 宝塚プラザコム(兵庫)

2005  宝塚現代美術展・アートカフェ 阪急宝塚南口駅前サンビオラ(兵庫)

2004  宝塚現代美術展・店⑤ 阪急宝塚南口駅前サンビオラ(兵庫)

2004  桜井市場美術展  芸術環境計画「かまぼこ」(大阪)

2004  宝塚現代美術展・店④ 阪急宝塚南口駅前サンビオラ(兵庫)

2003  宝塚現代美術展・店③ 阪急宝塚南口駅前サンビオラ(兵庫)

2003  宝塚現代アート展② 阪急宝塚南口駅前サンビオラ(兵庫)

2001  SOW展Ⅶ 大阪府立現代美術センター(大阪)

1999  二人展 南天荘画廊(兵庫)

1999  SOW展Ⅵ 大阪府立現代美術センター(大阪)

1998  SOW展Ⅴ 画廊くるせ(大阪)

1998  SOW展Ⅲ メフジン(兵庫)

1997  SOW展Ⅱ 画廊くるせ(大阪)

1989  二人展 南天荘画廊(兵庫)

1989  I-N-M EXHIBITION Open House Gallery(NY)

1988  ART SCRAMBLE アートスクエア(兵庫)

1981  ART・5 新聞会館KCCギャラリー(兵庫)

1977  プロフィール展 画廊蘖(兵庫)

1974  ヌル展 ギャラリー平井(大阪)